介護用語集
スロープ
【すろーぷ】
階段等の段差により、車いすでの移動や歩行が困難な介護者の移動を安全にするために、段差を緩やかな傾斜に替える通路のこと。バリアフリーへの意識が進むにつれ、車いすに加え、人や自転車を利用する人などが通りやすいように設計された通路部分が重要視されるようになり、制度上でも、高齢者や障害者が利用しやすい建築を促進するハートビル法等により、不特定多数の人が利用する公共施設やビルなどでのスロープ設置が義務付けられている。
特に介護保険制度では、居宅介護サービスの利用者に対して保険給付される福祉用具をさす。可搬型の簡易スロープは福祉用具貸与種目となり、取り付け工事の必要なスロープは住宅改修の対象となる。
簡易スロープは、段差のある場所に立てかけた板によって緩やかな傾斜をつけるもので、車椅子による移動や歩行に困難がある要介護者の移動を補助する。工事を伴うスロープ改修は費用の面で大きな負担となるのに対し、簡易スロープの福祉用具貸与サービスでは、家屋の改修を行わずとも、安価で要介護者の生活を支援することが可能である。
介護サービスによって貸与されるスロープは、折りたたみ式などの簡易で、設置が簡単なものが望ましい。
材質は、
1.)軽量な樹脂製
2.)強度に優れたアルミ製
3.)その両方の特徴を備えたハイブリッド製
などがあり、構造は、
Ⅰ.)レールタイプ
Ⅱ.)一枚板
などのタイプがある。
レールタイプは車椅子の車輪の幅に合わせて設置し、一枚板のタイプは段差の上にかぶせる形で使用するが、一般に、一枚板のタイプの方が、車椅子を介護者が操作する場合にはより介助を行いやすくなっている。